親との話し方
親の終活は、きっかけを使って切り出し、医療・介護 → お金の在りか → 物の順に話すと進めやすくなります。子どもが手伝えることは多いですが、遺言書や任意後見の契約、財産の動かし方は親本人の意思で決めることです。
話を切り出すきっかけ
いきなり「終活をして」と言うと、親が身構えてしまうことがあります。暮らしの中のきっかけを使うと、自然に話を始められます。
| きっかけ | 話の入り方の例 |
|---|---|
| 運転免許の更新 | 更新期間が満了する日に70歳以上の人は高齢者講習、75歳以上の人は認知機能検査を受ける。「更新はどうだった?」から、運転やこれからの暮らしの話へ |
| 人生会議の日 | 毎年11月30日は厚生労働省が定めた「人生会議の日」。ニュースや広報をきっかけに、医療の希望の話へ |
| 実家の名義 | 相続登記が2024年4月1日から義務になった。「家や土地の名義はどうなっている?」から、財産の話へ |
| 自分の終活 | 「自分も書いてみた」と、自分のエンディングノートを見せる |
| 法事や親戚の葬儀 | 「自分のときはどうしたい?」と、葬儀やお墓の希望を聞く |
話す順番
- 医療と介護の希望入院したら誰に連絡するか、どんな医療やケアを望むか。厚生労働省は、こうした話し合いを「人生会議」と呼んで、元気なうちから繰り返し話すことを勧めています。
- お金と契約の在りか口座・保険・年金・借入れが「どこにあるか」だけを聞きます。残高まで聞く必要はありません。
- 物と家家や物をどうしたいか。片付けは親のペースで進めます。
一度で全部を話そうとせず、何回かに分けるほうがうまくいきます。
子どもが手伝えること
- エンディングノートを一緒に書く — 東京法務局などが無料のエンディングノートを公開しています。印刷して一緒に埋めると、聞きにくいことも聞きやすくなります。
- 書類を1か所にまとめる — 通帳・保険証券・年金の書類・不動産の書類の置き場所を一緒に決めます。
- スマホの設定を手伝う — iPhoneの「故人アカウント管理連絡先」など、もしものときに家族がデータを見られる設定があります(デジタル終活)。
- 相談の窓口につなぐ — 介護や暮らしの相談は、親が住む地域の地域包括支援センターで受け付けています。
- 物の片付けを手伝う — 重い物の運び出しや仕分けは、子どもが手伝うと進みます。
手伝うときに気をつけること
- 親の財産を親の意思なしに動かさない — 善意でも、ほかのきょうだいとの間でもめる原因になります。
- 遺言書は親本人が書く — 自分で書く遺言書は、本文・日付・氏名を本人が自分で書くことが条件です(財産目録だけはパソコンなどで作れます)。
- 判断能力が心配になったら — 元気なうちなら任意後見の契約、判断能力が落ちてからなら家庭裁判所に法定後見を申し立てる方法があります(任意後見の仕組み)。
- きょうだいで情報を共有する — 聞いたことはきょうだいにも伝え、1人だけが抱え込まないようにします。
親が遠くに住んでいるとき
離れて暮らす親の終活は、電話や帰省のときに少しずつ進めます。
- 親が住む地域の地域包括支援センターの場所と連絡先を調べておく
- 自治体の登録の仕組みを使う。たとえば大田区の「老いじたく情報登録事業」は、区内に住民登録がある65歳以上の人の緊急連絡先などを区に登録し、もしものときに指定した人へ伝えてもらえます(無料)
- 近所の人やかかりつけの医療機関に、子どもの連絡先を伝えておく
親が亡くなったあとのこと
親が亡くなったあとには、期限のある手続があります。相続放棄は、相続が始まったことを知ったときから3か月以内、相続登記は、不動産を相続で取得したと知った日から3年以内です(相続の準備)。
実家の片付けは、急がず、相続人どうしで話し合ってから進めます。
よくある質問
親が「まだ早い」と取り合ってくれません。
終活という言葉を使わず、「もしものときに困らないように」と話すと受け止めてもらいやすくなります。自分のエンディングノートを先に見せる方法もあります。
親の口座の暗証番号を聞いておくべきですか?
暗証番号を家族が知っていても、本人が亡くなったあとに勝手に引き出すと、相続でもめる原因になります。口座が「どこにあるか」を聞いておけば十分です。
兄弟姉妹で考えが合いません。
親の希望を聞く場に、できるだけきょうだいがそろうようにします。親が書いたエンディングノートや遺言書があると、話し合いの土台になります。
あわせて読む
出典
- 高齢運転者対策・第二種免許等の受験資格の見直し(令和2年改正道路交通法・2022年(令和4年)5月13日施行)(警察庁)
- 「人生会議」してみませんか(厚生労働省)
- フォトレポート(ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を「人生会議」に決定)(厚生労働省)
- 相続登記の申請義務化について(法務省)
- 地域包括ケアシステム(厚生労働省)
- 東京法務局の取組(未来につなぐ私の相続(エンディング)ノート)(東京法務局)
- Apple Accountの故人アカウント管理連絡先を追加する方法(Apple)
- 自筆証書遺言に関するルールが変わります。(法務省)
- 成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A(任意後見制度について)(法務省)
- 老いじたく情報登録事業(大田区)
- 相続の放棄の申述(裁判所)
出典の確認日: 2026年10月20日
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