トップ › 遺言書の準備

遺言書の準備(自筆証書・公正証書・保管制度)

公開 2026年10月20日・出典の確認 2026年10月20日

3つの方法の違い
自分で書いて手元に置く
費用はほぼかからない。亡くなったあと、家族が家庭裁判所で検認を受ける必要がある
自分で書いて法務局に預ける
保管の申請は1件3,900円。検認は要らない。亡くなったあと、指定した人に知らせてもらえる
公正証書遺言
公証役場で公証人が作る。財産の額に応じた手数料がかかり、証人2人が立ち会う。検認は要らない

遺言書でできること

遺言書がないと、遺産は相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)で分けることになり、話がまとまらないときは法律で決まった割合(法定相続分)が目安になります。遺言書があれば、次のようなことを自分で決めておけます。

3つの方法を比べる

自筆証書(手元に置く)自筆証書(法務局に預ける)公正証書
作る人本人本人公証人(本人が内容を伝える)
費用ほぼかからない保管の申請1件3,900円財産の額に応じた手数料
証人要らない要らない2人
亡くなったあとの検認必要不要不要
なくす・書き換えられる心配ある法務局が原本とデータを保管公証役場が原本を保管
向いている人まず書いてみたい人費用を抑えて確実に残したい人内容が複雑な人、自分で書くのが難しい人

検認は、相続人に遺言の存在と内容を知らせ、遺言書の形や日付、署名などをその日の状態で確かめて、偽造や変造を防ぐ家庭裁判所の手続です(裁判所)。手元に置いた自筆証書遺言は、家族が見つけたあと、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所で検認を受けます(遺言書1通につき収入印紙800円と切手代)。

自筆証書遺言の書き方の決まり

法務局に預ける場合は、用紙の大きさや余白などの様式にも決まりがあります。書く前に、法務省の「遺言書の様式等についての注意事項」を確かめます。

法務局の保管制度

2020年7月10日に始まった自筆証書遺言書保管制度は、自分で書いた遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けられる制度です。

注意したいのは、法務局は遺言の内容の相談には応じず、預けたことで遺言が有効だと保証されるわけでもないことです。内容に迷うときは、弁護士や司法書士などに相談してから書きます。

公正証書遺言の費用と流れ

公正証書遺言は、公証役場で、本人が伝えた内容をもとに公証人が作る遺言書です。証人2人が立ち会います。日本公証人連合会が公表している手数料の基準は次のとおりです(2026年10月20日に確認)。

目的の財産の価額手数料
50万円以下3,000円
50万円を超え100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下13,000円
500万円を超え1,000万円以下20,000円
1,000万円を超え3,000万円以下26,000円
3,000万円を超え5,000万円以下33,000円
5,000万円を超え1億円以下49,000円

受け取る人が複数いるときの計算のしかたなど、実際の額は公証役場で見積もってもらいます。また、2025年10月1日から公正証書の作成手続がデジタル化され、条件を満たせばウェブ会議で作ることもできるようになりました(指定された公証人の役場から順次)。

遺留分に気をつける

遺言書で自由に分け方を決められるといっても、兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」という最低限の取り分があります。遺留分より少なくしか受け取れなかった相続人は、多く受け取った人に、その差額をお金で払うよう求めることができます(2019年7月1日からの制度)。

この請求は、相続の開始と、遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから1年、または相続の開始から10年のうちに相手に意思を伝えないと、権利が消えてしまいます(裁判所)。遺言書を書くときは、遺留分のことも考えて分け方を決めると、家族のもめごとを防げます。

よくある質問

パソコンで書いた遺言書は有効ですか?

自分で書く自筆証書遺言は、本文・日付・氏名を自分の手で書くことが条件です。パソコンで作ってよいのは財産目録だけで、その場合は目録の全ページに署名と押印が必要です。

エンディングノートに書いた希望は、遺言になりますか?

なりません。法務省と日本司法書士会連合会のエンディングノートも、遺言のような法律上の効力はないとしています。財産の分け方を確実に決めたいときは遺言書を作ります。

遺言書は書き直せますか?

書き直せます。新しく作り直すほか、法務局に預けた遺言書は保管の申請を撤回することもできます(撤回の届出は無料)。

何歳から遺言書を書けますか?

民法では15歳から遺言ができます(日本臓器移植ネットワークも、臓器提供の意思表示の年齢をこれに合わせて説明しています)。

あわせて読む

出典

出典の確認日: 2026年10月20日

広告