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おひとりさまの終活

公開 2026年10月20日・出典の確認 2026年10月20日

先に決めること

おひとりさまの終活では、家族が担ってきた3つの役割を誰に頼むかを決めておくことが要になります。①入院や施設に入るときの身元保証 ②判断能力が落ちたときのお金の管理(任意後見)③亡くなったあとの手続(死後事務)です。財産の行き先は遺言書で決めます。

ひとり暮らしの高齢者は増えている

内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、65歳以上の人のうち一人暮らしの人の割合は、1980年(昭和55年)の男性4.3%・女性11.2%から、2020年(令和2年)には男性15.0%・女性22.1%に増えました。2050年(令和32年)には男性26.1%・女性29.3%になると見込まれています。

家族に頼れない、あるいは頼りたくないという人は、もう珍しくありません。国や自治体も、身寄りのない人の入院や、亡くなったあとの手続を支える仕組みを整え始めています。

家族が担ってきた3つの役割

場面これまで家族がしてきたこと備える方法
入院・施設に入るとき身元保証人や緊急連絡先になる、入院の手続や支払いを手伝う身元保証のサービス、自治体の支援、緊急連絡先の登録
判断能力が落ちたときお金の管理や契約を代わりに行う任意後見の契約(元気なうちに)、法定後見(家庭裁判所が選ぶ)
亡くなったあと葬儀・納骨、役所への届出、家の片付け、契約の解約死後事務の契約、遺言書

身元保証人がいなくても入院はできる

「身元保証人がいないと入院できないのでは」という心配はよく聞かれます。厚生労働省は2018年4月27日の通知で、入院による治療が必要なのに、身元保証人等がいないことだけを理由に入院を拒むことは、医師法第19条第1項に抵触するという考え方を示しています。

2024年6月の厚生労働省の文書でも、医療機関や介護保険施設が、身元保証人等がいないことだけを理由に入院・入所を拒むことは適当でないと改めて示されました。厚生労働省は、身寄りがない人の入院や医療の意思決定を支えるためのガイドラインも出しています。

とはいえ、入院中の手続や支払い、退院後の生活の相談に乗ってくれる人がいるかどうかで、本人の負担は大きく変わります。だれに何を頼むかを、元気なうちに決めておくことが大切です。

任意後見の仕組みと費用

任意後見は、判断能力が十分なうちに、将来お金の管理や契約をまかせる人(任意後見人)と、まかせる内容を決めて、公証人が作る公正証書で契約しておく制度です(法務省)。

  1. 契約を結ぶ公証役場で任意後見契約の公正証書を作ります。契約の内容は登記されます。
  2. 判断能力が落ちたら申し立てる家庭裁判所に、任意後見監督人を選ぶよう申し立てます。
  3. 効力が生じる家庭裁判所が任意後見監督人を選んだときから、任意後見人が契約どおりに仕事を始めます。監督人には、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職が選ばれることが多いとされています。

法務省のQ&Aによると、任意後見契約の公正証書を作る費用は、基本手数料13,000円、登記嘱託手数料1,600円、登記所に納める印紙代2,600円のほか、正本などの証書代や郵送の切手代がかかります。

任意後見の契約をしないまま判断能力が落ちたときは、家庭裁判所が後見人などを選ぶ法定後見になります。申立ての費用は収入印紙800円、登記手数料2,600円、切手代のほか、鑑定が必要なときは鑑定料がかかります(法務省によると、ほとんどの場合10万円以下)。

身元保証・死後事務のサービスを選ぶとき

身元保証や、亡くなったあとの手続(死後事務)を有料で引き受ける民間の事業者もあります。国は2024年6月に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」をまとめ、事業者が守るべきことと、利用する人が契約前に確かめたいことを示しました。

ガイドラインと消費者庁のチェックリストから、契約前に確かめたい点をまとめます。

ガイドラインは、死因贈与や寄附を契約の条件にすることは避けるべきだとしています。説明を聞いて分からないことがあれば、その場で契約しないことです。困ったときは消費者ホットライン(188)に相談できます。

自治体の終活支援を調べる

自治体が終活の相談窓口や、身寄りのない人の支援を始めています。東京都と神奈川県の例です。

自治体内容
世田谷区2026年7月1日に「世田谷区終活支援センター」を開設。区内に住む人と家族の相談(無料)、エンディングノートの無料配布、終活講座、弁護士の無料相談(予約制)。65歳以上で単身など条件を満たす人向けの「えんのつづき」(月額1,000円(税別)ほか)もある。電話 03-6411-3715
川崎市市の終活支援事業(社会福祉協議会の川崎市あんしんセンター終活支援課)。支援を受けられる親族がいない市内の高齢者などを対象に、預託金で生前の希望に沿った葬儀・埋葬や届出を亡くなったあとに行い、見守りもする。電話 044-712-3372
大田区「老いじたく情報登録事業」。区内に住民登録がある65歳以上の人が、緊急連絡先・かかりつけ医・エンディングノートや遺言書の保管場所などを登録し、もしものときに指定した人や機関に伝えてもらえる(無料)

内容や条件は自治体ごとに違います。住んでいる市区町村の高齢者の窓口か、地域包括支援センターに、同じような仕組みがないか聞いてみてください。

財産の行き先は遺言書で

相続人がいない人が亡くなると、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が借金の支払いなどの清算をし、残った財産は国庫に入ります(裁判所)。清算の過程で、生前に特別な縁があった人に分けられることもあります。

お世話になった人や、応援したい団体に財産を渡したいなら、遺言書でその意思を示しておく必要があります。遺言書で、遺言の内容を実行する人(遺言執行者)を決めておくと、手続が進めやすくなります。

よくある質問

身元保証人がいないと入院を断られますか?

厚生労働省は、身元保証人等がいないことだけを理由に入院を拒むことは医師法に抵触するという考え方を示しています。断られた、と感じたときは、病院の医療相談の窓口や市区町村に相談してください。

任意後見と死後事務の契約は、両方必要ですか?

役割が違います。任意後見は生きている間の財産管理などで、亡くなると終わります。亡くなったあとの葬儀や届出は、死後事務の契約や遺言書で備えます。

ペットはどうすればいいですか?

もしものときに世話を頼める人を決め、その人の了解をもらっておきます。飼育の費用をどう渡すかも、遺言書などで考えておきます。

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出典

出典の確認日: 2026年10月20日

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