配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に住んでいた亡くなった人の所有する建物を、終身または一定期間、無償で使い続けられる法定の権利です。遺産分割で配偶者に取得させたり、遺言(遺贈等)で与えたりできます。ほかに、遺産分割が終わるまでの間などに住み続けられる配偶者短期居住権があります(法務省)。
2つの権利
法務省の相続法改正の案内では、配偶者の居住の権利を保護する方策は、比較的短期間を守る方策と、ある程度長期間を守る方策に分かれます。
配偶者短期居住権
- 配偶者が相続開始の時に、亡くなった人の所有する建物に無償で住んでいた場合に認められる
- 遺産分割で建物の帰属が決まる日と、相続開始の時から6か月を経過する日のどちらか遅い日まで、引き続き無償で使える
- 遺贈などで配偶者以外の第三者が建物の所有権を取得した場合や、配偶者が相続放棄をした場合などは、建物の所有者から消滅の申入れを受けた日から6か月を経過するまで、引き続き無償で使える
配偶者居住権
配偶者が相続開始時に居住していた亡くなった人の所有建物を対象に、終身または一定期間、配偶者にその使用または収益を認める法定の権利です。遺産分割における選択肢のひとつとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができます。亡くなった人が遺贈等で配偶者に取得させることもできます。
20年以上連れ添った夫婦の居住用不動産
法務省の案内には、居住用不動産の贈与についての見直しも載っています。婚姻期間が20年以上の夫婦の一方が、他方に対し、居住用の建物またはその敷地を遺贈または贈与した場合は、民法903条3項の「持戻しの免除」の意思表示があったものと推定され、遺産分割では原則として、その居住用不動産の持戻し計算が不要になります(特別受益として扱わずに計算できる)。
わかりやすく言うと、長年連れ添った配偶者に自宅を贈っても、そのぶんを遺産の前渡しとして差し引かれにくくなる、ということです。細かい計算は、専門家に確かめてください。
比べる表
| 配偶者短期居住権 | 配偶者居住権 | |
|---|---|---|
| 守る期間 | 比較的短期間(遺産分割が終わるまで、または相続開始から6か月のいずれか遅い日まで等) | 終身または一定期間 |
| 対象の建物 | 相続開始時に無償で住んでいた亡くなった人の所有建物 | 相続開始時に居住していた亡くなった人の所有建物 |
| どう手に入るか | 一定の条件を満たすと認められる | 遺産分割や遺言(遺贈等)で配偶者に取得させる |
誰が相続人になるか、取り分はどうなるかは法定相続分とはで確かめられます。住み続けたい家がある夫婦は、遺言書で意思を残しておく方法もあります。
よくある質問
配偶者居住権は登記が必要ですか?
法務省のこの案内の本文には、登記についての記載がありません。登記の扱いは法務局か専門家に確かめてください。
配偶者居住権の評価額や税金は?
この案内には書かれていません。評価と税は、税理士などの専門家に相談してください。
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出典
出典の確認日: 2026年11月7日